診断方法と主な治療方法
まずはレントゲンで、乳児にある頭蓋縫合の解離、年長児にある指圧痕、トルコ鞍の拡大などを調べます。乳児期までなら、超音波検査が、脳室のサイズの観察と同様に、非常に有用です。最近では、臨床症状、徴候とMRIやCTなどの脳室拡大による所見ができるので、水頭症の診断は通常は比較的容易に下されます。特にMRIなら、髄液の閉塞部位、水頭症の原因、合併する奇形も観察できます。
問題は、きわめてゆっくり進行する水頭症、正常圧水頭症です。これらは脳萎縮に伴う脳室拡大との鑑別が難しいのです。こうした鑑別には、髄液排除試験、頭蓋内圧モニタリングなど、いわゆる補助検査も追加することになります。
最後は治療です。水頭症の治療は基本的に内科的治療と手術的治療に分けられます。ただし、現在のレベルでは水頭症に有効な内科的治療は殆どないのが実態です。そこで水頭症は手術治療がどうしてもメインになってきます。
手術は、症状を引き起こす原因によって変わります。水頭症で多いのは、脳室系の閉塞、髄液の吸収力低という原因で、従って、過剰に溜まる髄液量を減らす、調整しなければなりません。
この手術方法として、基本的にはシャント手術が多く行われ、病態によって内視鏡的第三脳室底開窓術を行うこともあります。シャント術で多くの場合は、カテーテルを拡大した脳室に挿入、髄液を他の体腔に流すことで脳圧コントロールをします。手術は全身麻酔下で行われ、1時間程度を要します。シャント以外の治療法としては、水頭症の原因となる病変を外科的に摘出する方法があります。ただし、先天性水頭症だと、摘出可能な病変を認めることは殆どありません。