水頭症とは:水頭症の原因・症状・治療法

水頭症の原因となる疾患

水頭症の分類としては、「非交通性水頭症」「交通性水頭症」がよく使われます。

  • 脳室経路で髄液の流れが悪くなった状態が「非交通性水頭症」です。
  • 「交通性水頭症」は、脳表のくも膜下腔の髄液停滞、生産、吸収に問題がある場合です。

出生直後の新生児や乳児の場合は先天性水頭症が問題です。

 

頻度の高いのは、中脳水道狭窄症による水頭症と脊髄披裂(非交通性水頭症の代表的なもの)や脊髄髄膜瘤(交通性と非交通性両方の要素を有するもの)にともなう水頭症です。

 

先天性水頭症の一部においては遺伝性の明らかな場合もあります。特にX染色体劣性遺伝性水頭症の頻度が高く、乳児期以後は、脳腫瘍など占拠性病変にともなう非交通性水頭症の頻度の方が高くなります。

 

成人の場合は、クモ膜下出血後の水頭症、特発性正常圧水頭症などの交通性水頭症が多くなります。

 

一方で、先天奇形に伴う原因もあります。該当するのは中枢神経系の先天奇形ということで、脳脊髄液の循環経路のどこかに閉塞(狭窄)を伴っていて、水頭症を引き起こします。

 

キアリ奇形もあります。(アーノルド)キアリ奇形とは脳の奇形の一種です。頭部にある小脳、脳幹の一部が、頭蓋骨から脊椎に落ち込んでいる状態のことです。この場合は、脊髄空洞症を起こして運動機能障害が出ます。ただし、先天性と後天性があって詳しい原因はまだ解明されていません。小さい頃には気がつかず、大人になって分かることも多く、水頭症、無呼吸症候群等の症状から診断されることが多いようです。

 

二分脊椎症も原因とされます。二分脊椎症とは、先天的な脊椎骨形成不全から起きる神経管閉鎖障害です。母胎内で胎児が脊椎骨を形成する時に形成不全を起こすもので、症状の重い開放性の二分脊椎症、症状の軽い潜在性の二分脊椎症があります。脊髄髄膜瘤とも言い、下肢麻痺、変形、膀胱・直腸障害での排泄障害などの症状が見られます。

 


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